鎌倉時代にはどんな服装をしている人が多かったのでしょうか。
また、武士や庶民、その子供はどのような服装だったのか考えてみましょう。
鎌倉時代の武士の服装は?
鎌倉時代は武士が中心となって武家政権となった時代でもありますが、普段着ていた服装はどのようなものだったのでしょうか。
鎌倉時代以前の平安時代においては天皇を始め貴族や公家は十二単をまといきらびやかな服装をしており、鎌倉時代に至っても位の高い人々は同じような服装をしたいとされています。
前述したように、鎌倉時代は武士が政権を握り武士による政治を始めた時代ですが、武士も貴族のように派手な服装をしてお金をかけていたのでしょうか。
武士の服装は至って質素?
鎌倉時代、武士の服装はどのようなものだったのかというと庶民のように動きやすい服装だったとされています。
ただ、一応それなりの階級ではあるため頭には折烏帽子という帽子を被り、平安時代には一般人にとっては喪服であった垂れ襟の直垂が武士の正式な礼服になったようです。
直垂は、襟がまっすぐに垂れていることからその名前がついているのですがそれに上衣を胸のあたりでしっかりと結んで、袴も同じように足首でしっかりと結び、太刀を腰に付けているのが武士のスタイルとなっていました
今でいうなら、サラリーマンやOLの通勤服のようなものでしょうか。
何重にも一重を重ね見るからに動きにくい服装だった貴族たちに対し、武士は常にいざという時に備えて動きやすさを重視していたのではないかと思われます。
子供や庶民はどのような服装だったの?
では、鎌倉時代の子供や庶民たちの服装はどのようなものだったのでしょうか。
まず、庶民の服装としては小袖に袴が一般的とされており、小袖とは袖が短いタイプの着物であり、今でいうなら7分丈や5分丈くらいの袖の長さと言えます。
袖が短いのは、これも農作業をしやすくするため動きやすさを重視していたのではないでしょうか。
袴に関しては、武士は足首で結んでいたのに対しもっと短い袴で膝小僧くらいの長さに結んで腰には火打ち袋と小刀を下げて、武士よりもさらに動きやすい服装だったとされています。
では、子供はどんな服装をしていたのでしょうか。
この鎌倉時代、当然服を買うなんて概念はないと思われますので母親が大人の古着をばらして子供のサイズに作り直していたのではないかと思われます。
幼稚園児や小学生くらいの年齢の子供の場合、袴は履かないままでふんどしに素足、藁で作った草履か裸足、という服装だったのではないでしょうか。
江戸時代には、乳幼児は金太郎のように隅取腹当てというお腹だけを冷やさないようにする服装で過ごす子供が多かったようなので、鎌倉時代においても幼い子供は同じような服装だったのかもしれません。