鎌倉時代の彫刻の特徴について

鎌倉時代を代表する彫刻は数多く存在しますが、代表的なものとしてはどんな彫刻があるのでしょうか。

鎌倉時代における彫刻の特徴について解説いたします。

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鎌倉時代の彫刻の特徴は?

鎌倉時代は、武士が台頭して武士による政治を始めた画期的な時代と言えます。

それまでの貴族中心の世の中と比較しても、すべてにおいて力強くたくましい特徴がありそれは彫刻においても同じことが言えました。

鎌倉時代の彫刻の特徴は、写実性に高いことです。

鎌倉時代に最も有名な彫刻としては東大寺南大門の2体の金剛力士像ですが、浮き上がる筋肉の隆盛や衣服の翻波が力強くたくましく描かれており、鎌倉時代は日本彫刻のルネサンスと言っても過言ではないくらい非常に豊かで力強い作品が誕生しています。

また、貴族の間だけでなく武士や庶民の間でも仏教が広まったことから、数多くの仏像も彫られましたが、それだけに限らず実際の人物を彫ったものも多かったようです。

代表的な作品としては、六波羅蜜寺の空也上人像や興福寺の無著・世親立像などが有名です。

鎌倉時代の優れた彫刻家、運慶

運慶の作品として有名なのは東大寺南大門の左右に存在する金剛力士像です。

もちろん他にも代表的な作品はありますが、この仁王像は後世においても仁王像の手本とされると同時に、多くの寺においてこの運慶たちの仁王像をモデルとした仁王像を「運慶作」とすることが多かったほど、彼の名声は高かったようです。

運慶は奈良の仏師であった康慶の子供であり鎌倉時代における優れた彫刻家の一人です。

弟弟子である快慶とともに彫り上げた金剛力士像は、鎌倉時代を代表する彫刻ですが、それ以外にも薬師如来像や十二神将像を作り上げますがその出来に感激した奥州の藤原基衡はアザラシの皮を60枚、馬50頭を始めたくさんの品物を褒美として送ったとされています。

また、初代侍所別当となった和田義盛を始め多くの武将も運慶に対して彫刻を頼むなどして、鎌倉時代を代表する彫刻家へと成長していったとされています。

兄弟子に負けず、魅力的な仏像を作った仏師快慶

快慶も同じく兄弟子である運慶と共に鎌倉時代を代表する仏師の一人とされています。

運慶も優れた彫刻家でしたが、快慶も負けずに劣らず鎌倉彫刻様式の確立に力を注ぎ、数多くの作品を世に残しています。

快慶の代表的な作品としては弥勒菩薩立像や国宝とされている阿弥陀三尊像は有名です。

快慶は運慶の父親である康慶が指揮をとっていた「慶派」という仏師工房に弟子入りし、兄弟子である運慶と共に彫刻家としての技を磨き合ったのではないかと思われます。

東大寺南大門に南大門にある仁王像ですが、運慶と快慶だけで作ったものと思われていますが実は違います。

口を開いている方の仁王像を阿形像、閉じている方を吽形像と呼ぶのですが実際には阿形像を運慶と快慶が13人の他の仏師たちと作り上げたもので、吽形像の方は運慶の子供である湛慶や大仏師である定覚と12人の他の仏師たちで作り上げたものとされています。

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