日本史において鎌倉時代は特別な時代とされていますが、その魅力はどんなことが考えられるのでしょうか。
鎌倉時代の魅力について考えてみましょう。
貴族中心の世の中から武士が中心に
鎌倉時代の魅力といったら、やはりそれ以前の時代の貴族中心の世界から武士が中心となる世界へ変化していったことではないでしょうか。
幕府という存在が誕生したのも鎌倉時代であり、それからその後の後世の江戸幕府に至るまでずっと長く続くことになるとは誰が想像したでしょうか。
源家が3代で滅んだあと、北条一族が執権を握り鎌倉幕府を牛耳る場面も鎌倉時代の魅力の一つではないかと思われます。
そして、将軍殿と主従関係を結び御恩と奉公の関係ができる御家人たちや、新たなルールが決まって幕府を動かしていく様も魅力的です。
優雅で貴族中心だった世の中から一変して、武士らしい力強い世の中へ発展していく様子は、鎌倉時代の語る上での大きな魅力となるのではないでしょうか。
将軍家のカリスマ、源頼朝
鎌倉時代の魅力を語るなら、源頼朝を語る必要があると言えます。
源氏の御曹司として生まれた源頼朝は、武士でありながら貴族としての気品も兼ね備えていたため、女性にも非常にモテたとされています。
しかし、北条政子と出会い結婚し子供をもうけた後はイクメンパパとして家族を大切にする父親だったそうです。
その一方で、鎌倉幕府を開府して幕府のトップとして手腕をふるう姿も、将軍のカリスマとして魅力にあふれた人物です。
人柄も良く、「源頼朝でなければ従わない」という家臣も少なくなかったほど、家臣からの人望も厚い人だったのですが、ただ一つ暗い影を背負っているのが弟である源義経との関係です。
兄弟で尽力を尽くして平清盛を討伐するものの、結果的には仲たがいして源義経を討伐する結果になった源頼朝と源義経との確執として、何があったのかを想像したい放題なのも、鎌倉時代の魅力と言えないでしょうか。
武士の影響を受けて誕生した鎌倉文化
鎌倉時代の魅力を考えるなら、鎌倉文化について触れることを忘れてはいけません。
前述した通り、鎌倉時代はそれまで貴族中心に回っていた世の中で、初めて武士が台頭し武士による政治を始めた時代でもあります。
言ってみれば、その後に続く戦国時代や江戸時代に向けての新しい幕開けが鎌倉時代といっても良いでしょう。
武士の、たくましく力強い武家政権は様々なものに影響を与えることになりますが、鎌倉文化もその影響を受けたうちの一つと言えます。
荒く猛々しい、写実的な描写が印象の東大寺南大門の金剛力士像は鎌倉時代を代表する運慶、快慶によって作られた作品として有名です。
仏教文化も鎌倉時代ならではの発展を遂げており、武士や庶民にも分かりやすい仏教の宗派が数多く誕生したとされています。
このように、貴族から武士の時代になったことは、鎌倉時代当時はもちろん、その後の後世の時代に至るまで数多くの影響を与えていったとされているのです。