どの時代にもそれぞれ良い文化が存在し特徴があるとされています。
鎌倉時代の文化の特徴とはどのようなものだったのでしょうか。
目次
貴族の文化と武士の文化の融合
鎌倉時代の文化は鎌倉文化と呼ばれますが、それまで天皇や貴族が中心の優雅な文化と、武士ならではの素朴でたくましい武家文化が融合して新しい文化の発展につながったとされています。
もちろん、公家文化の影響も残っているものの政治においても武士が中心となったことから、武士の特徴が色濃く残る文化へと変化していきました。
また、鎌倉時代以前の文化は公家中心であるだけでなく公家の間でしか広まらなかったのに対し、鎌倉文化は武士だけでなく庶民の間にも広まり、わかりやすかったのが鎌倉時代の文化の特徴と言えるでしょう。
琵琶法師の弾き語りによる「平家物語」は、その中でも代表的なものとされ、その他にも藤原定家等により編纂された「新古今和歌集」や「小倉百人一首」も鎌倉時代を代表する文学で有名です。
新しい仏教の誕生
何といっても特徴があるのが、宗教文化ですがどのような特徴を持っていたのでしょうか。
鎌倉時代の宗教文化の大きな特徴は、やはり武士だけでなく庶民にも広がっていたことです。
前述しましたが、鎌倉時代の以前の世の中というのは天皇や公家などが中心であり、宗教においても彼らにしか浸透していなかったとされています。
それを、武士だけでなく庶民にも分かりやすくしたのが鎌倉時代の宗教文化です。
南無阿弥陀仏の念仏を唱えるだけで極楽浄土に行ける、という教えは文字を読めない庶民でも十分に理解できたため広く浸透していったとされています。
加えて、庶民の生活や苦しさに同調して救いの手を伸ばすべく庶民のために宗派を開くような僧の出現によって、宗教文化が公家だけのものではなく庶民や武士の生活にも浸透していったことも鎌倉時代の宗教文化の特徴です。
宋の文化の影響も受けた鎌倉時代
鎌倉時代は禅宗や朱子学など、宋との交流が進み様々な文化が入ってきた時代でもありそのために宋の影響を受け多分かも多かったとされています。
宗教文化としての禅宗は、座禅を組んで悟りをすることをモットーとし、飲まず食わずでただ座禅を組むという厳しい修業は今までの鎌倉時代の日本にはあまりなかった宗教文化であり、特に権力者に多く受け入れられたようです。
平氏によって落とされた奈良の東大寺は1195年に修復しますが、その際に作られた東大寺南大門は宋の建築の影響を受けて建てられたものであり、東大寺南大門を守るようにして左右に置かれた運慶・快慶作の金剛力士像は、武家政権らしいたくましい姿であり、鎌倉時代の文化を象徴する彫刻と言えるでしょう。